シトリックス・システムズ・ジャパンは5月15日,MS-DOSやMacintosh,各種UNIXなどのクライアントからWindows 2000上で動作するアプリケーションを利用するためのサーバー・ソフト「MetaFrame XP 1.0 for Windows」を5月末に出荷開始すると発表した。米Citrix Systemsが開発した製品で,Windows 2000上で動作する。既存のMetaFrame 1.8に,アプリケーション配布をはじめとする大規模環境における管理機能を強化した点が大きな特徴である。ただ,既存のMetaFrame 1.8の新版という位置付けではなく,今後もMetaFrame 1.8と並売していく予定である。また,これまでのMetaFrameはサーバー数によるライセンス体系であったが,MetaFrame XPでは同時接続数によるライセンス体系を採る。同時接続数を満たしていれば,サーバーの数に関係なくインストールできる。価格は20同時アクセスのライセンスが付属して98万6000円から。

 MetaFrame XPでは主に以下の点を強化した。(1)複数のMetaFrame XPサーバー上にある公開アプリケーションやライセンスなどを一括管理するJavaベースのコンソール「Citrix管理コンソール」の提供,(2)クライアントを経由せずに印刷する機能,プリンタ・ドライバを配布する機能など印刷関連機能の強化,(3)ユーザーが利用するアプリケーションを複数のMetaFrame XPサーバーにインストール/アンインストールする機能,(4)サーバー・リソースやアプリケーションの監視,レポートする機能(Resource Manager),(5)Windows 2000のActive Directoryへの対応,などである。製品は規模に応じて3種類を用意する。部門やワークグループでの利用を想定した「MetaFrame XPs」(20同時アクセスのライセンスが付属して98万6000円),2~100サーバーといった中規模システムを想定した「同 XPa」(同117万3000円),20~1000サーバーといった大規模システムを想定した「同 XPe」(同136万円)である。機能面の違いは,XPsではユーザー・アクセスの動的負荷分散の機能が無いこと,前述した(4)の機能はXPeでしか利用できないこと,などである。なお,MetaFrame XPから同時接続数によるライセンス体系に変わったため,大規模になればなるほどコスト・メリットが大きくなるようになった。MetaFrameを利用した環境では,サーバーの性能が不足すると全ユーザーのレスポンスが低下することになる。1台の大型サーバーで全員のアクセスを処理するよりも複数台のサーバーにリソースを分けた方がパフォーマンスの調整がしやすくなる。そのため,複数のサーバーに分けて導入するユーザーが多かったが,サーバー数によるライセンス体系のため,コスト高になってしまう傾向にあった。リソースを分けると管理も煩雑になる。こうした大規模環境特有の問題はMetaFrame XPで解決される。

榊原 康=日経オープンシステム)