ターボリナックスジャパン(本社:東京都渋谷区)は2001年4月5日,サーバー用OSの新版「Turbolinux Server 6.5」を4月20日に発売すると発表した。価格は3万9800円(アカデミック価格は2万4800円)。同OSの特徴は,新しいGUIインストーラ「Mongoose」やジャーナリング・ファイル・システム,シングル・バイナリによる5カ国語対応,LVM(Logical Volume Manager)を搭載したことなど。主に,ISP/ASPやiDCなどエンタープライズ市場へ向けて販売するという。

新GUIインストーラMongooseは同社が開発し,オープン・ソースで配布するもの。初心者でも容易に同OSのインストールが行えるという。システムのダウンタイムを短縮するジャーナリング・ファイル・システムは,EXT3とReiserFSの2つを用意する。EXT3はLinuxの標準的なファイル・システムであるEXT2にジャーナリング機能を付け加えたもので,EXT2と互換性がある。ReiserFSはBツリー・データ構造を応用したファイル・システムで,ジャーナリング機能に加えて高速なファイル・アクセスを可能とする。ジャーナリング・ファイル・システムの搭載によって,高い可用性を必要とするシステムでも同OSを利用することができると同社は説明する。

また,シングル・バイナリによる5カ国語(日本語,英語,韓国語,簡体中文,繁体中文)対応も大きな特徴。従来は,日本語版,英語版など対応言語別にOSをリリースすることが多かったが,同OSでは1つのバイナリ(OS)で5カ国語をサポートする。LVMは複数の物理的なハードディスク領域を一つの論理的なハードディスク領域として扱うことが可能な機能。LVMによって柔軟なハードディスク構成がとれるようになる。

同OSが搭載するLinuxカーネルはバージョン2.2.18。最新のカーネル2.4系の搭載を見送ったことについて,「カーネル2.4はまだビジネスで使える段階ではない」(ターボリナックスジャパン社長の小島國照氏)と説明する。2.2.18は,安定性に加えて,2GBを超えるファイルのサポートや最大4GBの物理メモリーへの対応,高速なファイル・アクセスが可能なRaw I/Oなどカーネル2.4の機能を一部先行的に取り入れているカーネルである。なお,C言語のランタイム・ライブラリであるglibcのバージョンは2.1.3。また,同OSはWWWブラウザからサーバーの設定が可能な「HDE Linux Controller 2.0 Express」やRYOBIフォントなどの商用ソフトウエアをバンドルする。

武部 健一=ニュース編集部)