SASインスティチュート ジャパン(本社:東京都中央区)は2001年3月27日,通販サイトなど大規模なWWWサイトのアクセス・ログを収集し,統計的な分析を行うソフトウエア「WebHound」を発表した。(1)1日当たりのデータ容量で数GBになるアクセス・ログでも7~8時間で分析できる,(2)レポートはグラフ入りのものをWWWブラウザで閲覧できる――ことなどが特徴。2001年夏に発売し,価格は1008万円から。

WebHoundは,WWWサーバーにアクセスしたユーザーのIPアドレス,閲覧ページ,リンク元ページ,使用するWebブラウザ情報などのアクセス・ログを集計し分析する。また,WebHoundでは,“同一IPアドレスから,同一のバージョンのWWWブラウザを使って,30分以内に行われたアクセス”を“1セッション”としてまとめて分析する。このセッション数は,WWWサイト利用者の延べ人数にほぼ該当するという。加えて,一つのセッションにおいて最初にアクセスしたページを「Entry Point」,最後にアクセスしたページを「Exit Point」として集計もできるため,「ヒット数やページ・ビュー数だけを集計するよりも,ユーザーの行動を詳しく分析できる」(SASインスティチュート ジャパン マーケティング部の清水英恵氏)としている。

データは時間別/日別/月別などの集計やクロス集計などが可能で,標準で約60種類の定型レポート機能を備える。また,ユーザーは集計項目を自由に選んで独自のレポートを作成することもできる。作成するレポートは,HTML文とJavaで表示するグラフで構成し,WWWブラウザで閲覧する。同社は現在日本国内で,複数のWWWサイトを運営する企業と協力して製品の運用テストを行っており,その企業では「1日数GB程度蓄積するアクセス・ログを,7~8時間で分析している」(清水氏)と言う。

WebHoundは,同社のデータ・ウエアハウス管理ツール「SAS/Warehouse Administrator」をバンドルしており,蓄積したデータは,同社のデータ・ウエアハウス製品やCRM(Customer Relationship Management)製品と容易に連携できる。

対応サーバーOSは,Windows NT4.0/2000。価格はサーバーの搭載CPU数によって決定し,1CPUの場合1008万円である。運用2年目からは,ソフトウエア価格の半額を1年間のライセンス料として徴収する。初年度の販売目標本数は20本。

(中田 敦=ニュース編集部)