アライドテレシスは2001年2月13日,米国の非営利団体(NPO)「NACSE(National Association of Communication System Engineers)」が実施しているネットワーク技術者の資格認定試験を日本国内で実施すると発表した。アライドテレシスはすでに,2000年11月に100%出資の子会社「ナクシージャパン」(本社:東京都品川区)を設立,2001年夏にも第1回試験を実施する予定。試験は日本語で受験できる。今後は他社からの出資も受け入れ,特定ベンダーの技術や製品に依存しない資格試験として位置付けたい考え。

米国では1993年からNACSEの認定試験が実施されており,これまでに累計で約1万2000人が資格認定を受けている。Colorado大学をはじめ,大学や企業でのネットワーク技術の学習に使われている。ナクシージャパンではこの試験を日本語化し,日本の通信業界の状況を反映した上で,年2~4回認定試験を実施する予定。試験は4者択一方式。受験料は8000~1万円とする予定。なおナクシージャパンでは,米国NACSEの認定資格を取得しようとする技術者を対象に,米国での試験を英語のまま日本国内で実施することも検討している。

同試験では,技術者の持つ技術とその水準に合わせて認定できるよう区分を細かく設定しており,「データ・ネットワーク通信」5段階,「Webデザイン&開発」9段階,「テレコミュニケーション」5段階の計19種類の試験を実施する。また技術者に対し最新の技術動向を理解することを促すため,認定された資格の有効期限を設定するとともに,一度取得した資格に対する再認定制度を設ける。米国では有効期限を1年としているが,日本での有効期限は検討中。

ナクシージャパンでは各試験の出題範囲に合わせたカリキュラムを策定し,学習用の教材や機器の販売,技術者教育のための講師育成・サポート,WBT(Web Based Training)のシステム販売などを予定している。同社では試験開始後1年間に,資格試験受験者1万人,受験料と関連製品売上で2億円の売上を見込む。

金子 寛人=ニュース編集部)