米Palmは同社のプライベート・ショー「PalmSource Conference 2000」(2000年12月11日~15日,サンタクララ市)において,2001年上半期に出荷されるPalm OSの次期版「Palm OS 4.0」の機能強化点を明らかにした。同OSは,英語のほかに日本語,フランス語,イタリア語,ドイツ語,スペイン語の6カ国語に対応する。主な強化点は,(1)16ビットのカラー表示,USB経由のホットシンクに標準対応,(2)着信通知機能の搭載,(3)外部拡張記憶媒体への対応--などである。USBを標準でサポートすることで,ホットシンクによるデータ転送が4~5倍速くなるという。

 (2)では,「アテンションマネージャ」と呼ぶ機能を追加し,メールの着信を通知することができるようにする。従来版は,新着メールの有無を確認するにはユーザーから要求をしなければならない。着信通知を受け取った場合,アイコンやポップアップ・ウインドウの表示,端末のLEDランプの点灯や振動によってユーザーに知らせることが可能になるため携帯電話のメール機能と同じ効果をPalm端末でも得られる。ただし,この機能は無線通信機能を内蔵した端末に限られる。

Scott Lincke氏
 (3)では,外部拡張記憶媒体としてSD(Secure Digital)カードとMMC(MultiMediaCard)に対応する。各媒体はプラグ・アンド・プレイで利用でき,データの保存場所として使えるだけでなくアプリケーションから媒体に格納したデータを操作したり,アプリケーションを格納しておけばメニュー画面から直接起動させたりすることが可能になる。このほかBluetoothとの連携を可能にする予定だ。2001年夏頃に,Bluetooth経由でのデータ通信を可能にするアドオン・ソフトを,端末に接続して使うBluetoothの無線通信インタフェースを備えたアクセサリと一緒に提供する。これにより,通信機能を搭載しない端末でも「Bluetoothのインタフェースを備えた携帯電話などと連携して,端末内のアドレス帳に記録した電話番号やメール・アドレスを使って電話をかけたりメールを送受信したりできる」(Director, Wireless Products Consumer Markets GroupのScott Lincke氏,写真)。
(相馬 隆宏=日経オープンシステム)