日本ビー・イー・エー・システムズは,同社のWebアプリケーション・サーバー(APサーバー)の新版「BEA WebLogic Server 6.0」を2000年12月19日に出荷開始すると発表した。また,日本語のリソースをバンドルした「同 日本語版」を2001年2月に出荷する予定である。主な機能強化点は,(1)J2EE(Java 2 Enterprise Edition) V1.2への対応を完了し,V1.3に含まれるEJB(Enterprise JavaBeans) 2.0に対応,(2)「Javaトランザクション・マネージャ」を実装して2フェーズ・コミットをサポート,(3)JMS(Java Message Service)クラスタの追加,(4)管理コンソールをJavaベースからWebベースに変更,などである。

 BEA WebLogic Serverが掲げる目標の一つは,いかに早くJ2EEに対応させられるか,ということにある。今回,JavaMailに対応したことでJ2EE V1.2への対応を完了し,EJB 2.0をサポートするなどV1.3にも部分的に対応した。「BEA WebLogic Server 6.0はEJB 2.0に対応した初めての製品であり,少なくとも1年分は競合製品に差を付けたと見ている」(米BEA Systems Founder,Chairman and CEO Bill Coleman氏)。EJB 2.0では,SessionBeanとEntityBeanに加え,Message Driven Beanが利用可能だ。これを使えば,従来のEJBクライアントからではなく,JMSからEJBのBeanが呼び出せる。

 また,トランザクション処理機能とクラスタリング機能を充実させ,処理性能の向上を図った。まず,「(同社のTPモニター)BEA Tuxedoのチームを動員して開発した」(Bill Coleman氏)というJavaトランザクション・マネージャを実装し,XAに準拠したバックエンドのリソースに対して2フェーズ・コミットを可能にした。リソースとしてはJDBC接続のデータベースだけでなく,米IBMのMQSeriesなども利用可能である。クラスタリング機能では,JMSおよびStateful SessionBeanのクラスタリングを可能にした。これにより,「(Webページからオブジェクトまで)すべてのレベルのクラスタリング機能が揃ったことになる」(日本ビー・イー・エー・システムズ マーケティング本部 プロダクト・マネージャ 伊藤敬氏)。さらに,管理コンソールを機能強化し,複数のサーバー上で稼働しているBEA WebLogic Serverを一元管理できるようにするなど,これまで以上に大規模なシステムで利用されることを意識している。

(森山 徹=日経オープンシステム)

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