XML(eXtensible Markup Language)ベースの電子商取引に向けた標準化組織「ebXML Initiative」は2000年11月9日,「第5回ebXMLイニシャチブ東京会議」において,標準仕様「ebXML 1.0」を2001年3月までに確定する計画を明らかにした。ebXMLを使えば,電子商取引におけるビジネス相手をインターネット上で発見し,契約を合意してからその契約に基づいて情報をやり取するまでのプロセスを,標準化できる。そのための仕様として,(1)ビジネス・プロセスの定義,(2)ビジネス・オブジェクト,(3)トランスポート,ルーティングとパッケージング(TR&P),(4)レジストリとリポジトリ,などを提供する。

  (1)のビジネス・プロセスは,情報交換などビジネスの流れをUML(Unified Modeling Language)で記述する。電子商取引を表現する際の「動詞」に相当する。ビジネス・オブジェクトは,コアコンポーネントとも呼び,やり取りする情報の内容となる。電子商取引を表現する際の「名詞」部分に当たる。(3)のTR&Pは,クライアントが電子商取引サーバーにサービスを要求する際の一連の機能とプロトコルである。プロトコルには,SMTP,HTTP,FTPなどがある。(4)は,ある企業が提供できるサービスを登録して管理するための仕組みである。

(森側 真一=日経オープンシステム)

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