日本アイ・ビー・エムは10月4日,PCサーバーからメインフレームまで今後同社が提供するサーバー製品のブランドを「eserver」に統一すると発表した。メインフレームのS/390シリーズは「eserver zSeries」,オフコンのAS/400シリーズは「eserver iSeries」,UNIXサーバーのRS/6000シリーズは「eserver pSeries」,Netfinity,NUMA-QなどIntelチップを搭載したPCサーバーのシリーズは「eserver xSeries」になる。

eserverブランドとして以下の新製品を発表した。(1)64ビット対応のOS「z/OS V1R1」を搭載できる「eserver zSeries 900」(zSeries 900は2000年12月,z/OS V1R1は2001年4月に出荷予定),(2)「eserver iSeries 400 モデル840」(最小システム構成の価格は1億7000万円~で2000年12月に出荷予定)」,(3)「eserver pSeries 680 モデルS85」(価格は7534万7600円~で2000年11月に出荷予定),「同 640モデルB80」(価格は305万8500円~で2001年2月に出荷予定),(4)「eserver xSeries 200/220/230/240/330/340」(価格は同200が15万8000円~で2000年10月31日から順次出荷予定)--の4つである。

(1)はS/390 G6の約1.3倍の250MIPS以上の処理性能を提供するほか,最上位モデルでは最大16CPUの構成にまで拡張することで,従来の約1.5倍の2500MIPS以上の処理性能を実現できるとしている。また,zSeriesではOSやミドルウエア(CICS,DB2,MQSeriesなど)の料金体系として「ワークロード使用料金方式」を採用する。ユーザーがLPAR(論理分割機能)単位に必要な処理能力を決め,その負荷に応じて料金体系が決まる。(3)のS85は,SOI(Silicon On Insulator)や銅配線技術を採用することにより,RS/6000 S80の約1.5倍の処理性能を実現する。(4)は,最大96CPU(4ノード・クラスタ),192Gバイトの構成まで拡張可能とする。

このほか,同社の今後の「e-ビジネス」戦略として,すべてのサーバー・プラットフォームにおいて,(a)「CUoD(Capacity Upgrade on Demand)」,(b)「リモート・サービス」,(c)「ハイ・アベイラビリティー・サービス」,(d)「ビジネス・リカバリー・サービス(BRS)」---などを提供していく。(a)は,あらかじめ「予備のCPUやディスクを搭載しておく」または「予備のマシンを用意しておく」ことで急激なアクセス増にも迅速に対応できる仕組み。(b)は,エージェント・ソフトをサーバーに搭載することにより,リモートからのサーバーの監視と障害対応を可能にするサービスである。

(榊原 康=日経オープンシステム)

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