インテルは10月4日,電子商取引システムなどの構築を支援するサーバー製品ブランド「Intel NetStructure」に7機種を追加すると発表した。Intel NetStructureは,サーバーの負荷分散やSSL(Secure Sockets Layer)の暗号化処理,などの機能を専用装置にすることで,性能や使い勝手を高めたもの。一般に「アプライアンス・サーバー」と呼ばれており,ECサイトなどを提供するデータ・センターでの利用を想定している。今回発表した7機種は,WWWやSMTPサーバーなどの機能を搭載したサーバー製品2機種,従来からあるSSLのアクセラレータ,負荷分散装置,キャッシュ・サーバーの上位/下位製品など5機種,である。

同社が,今回初めて提供するアプライアンス・サーバー機「Intel NetStructure 1010/1020 Hosting Appliance」は,OSに「Red Hat Linux 6.2」,WWWサーバーに「Apache」,SMTPサーバーに「Sendmail」,FTPサーバーに「wu-ftpd」を搭載したラックマウント型(厚さは1U,約4.4cm)である。ディスクのミラーリング機能やバックアップ機能を標準で装備するほか,WWWサーバーやSMTPサーバーの設定はWWWブラウザからできる。将来的にはインテルのWWWサイトからサード・パーティ製のアプリケーションをダウンロード,追加できるようにする。同1010は,CPUにCeleron(533MHz),128Mバイトのメモリー,10Gバイトのハード・ディスク(IDE),10M/100M兼用のイーサーネット・ポートを2つを搭載したもので価格は29万8000円。一方,同1020はCPUにPentium III(750MHz),256Mバイトのメモリー,9Gバイトのハード・ディスク(SCSI),10M/100M兼用のイーサネット・ポートを2つを搭載したもので価格は54万8000円。いずれも10月16日から出荷開始する。

従来から提供していた製品分野では,今回以下の5機種を追加した。(1)米Sun Microsystemsの「Solaris 7」と米Inktomiの「Inktomi Traffic Server Engine」を搭載したキャッシュ・サーバーの下位機種「Intel NetStructure 1520 Caching Appliance」(15Mビット/秒までのトラフィックに対応,価格は98万円で10月16日に出荷),(2)SSLの暗号化/復号化処理を高速化するSSLアクセラレータの上位機種「Intel NetStructure 7115 e-Commerce Accelerator」(1秒間に最大600接続まで,価格は300万円で10月23日に出荷),(3)アプリケーション・レベルでの負荷分散機能などを備えたSSLアクセラレータの上位機種「Intel NetStructure 7185 e-Commerce Director」(SSLの処理は1秒間に最大1200接続まで,価格は750万円で10月23日に出荷),(4)サーバーの応答時間やコンテンツなどに応じてサーバー負荷を分散できる負荷分散装置の後継機種「Intel NetStructure 7145/7175 Traffic Director」(価格は7145が135万円で10月30日に出荷,7175が190万円で10月23日に出荷)---である。

このほか,米国では米Packeteerの帯域制御の製品をIntel NetStructureブランドで販売しているが,日本ではPacketeerのブランドのまま販売していくと発表した。Intel NetStructure,ならびにPacketeerの「PacketShaper」や「AppVantage」を利用したソリューションを共同で提供する。

(榊原 康=日経オープンシステム)

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