東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で開催中の「IPテレフォニー&ケータイソリューション2005」(20日まで,主催:日経BP社)でNECは,企業内で業務のために使われるインスタント・メッセージのシステムを参考出展している。インスタント・メッセージはメッセージをやり取りしたい相手の状況を確認しながらメッセージを送れる仕組み。Windows Messengerなど,一般用途ではよく使われるものだ。

 今回,NECが参考出展したものは,インスタント・メッセージを送受信するためのサーバーと,プレゼンス(各端末の状態)を確認するためのサーバーを提供する。プレゼンス・サーバーが社内の各ユーザーが持つ携帯電話やPDA,パソコンから有線や無線のLAN経由で「休憩中」か「オンライン」かなどといったプレゼンス情報を受け取り,メッセージを送りたいユーザーは現在オンラインのユーザーに向けて業務メッセージを送信する。

 メッセージの送信は1対1とは限らず,1対多も可能。たとえば,「ホテルの3階で手が空いているすべての従業員に301号室にタオルを届けるようにメッセージを送ると,その中の空いている一人が対応したと返信すると,その返信がメッセージが届いた全員に送られる」ということも可能である。

 プレゼンス情報は各端末のユーザーが手動で設定するが,これを自動的に変更するシステムも同時に展示している。NECでは,このシステムを2006年には流通,ホテル,一般オフィス向けなどのパッケージとして提供することを考えているという。

(塗谷 隆弘=日経NETWORK)