京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は,指紋認証に対応した検疫ネットワーク・サービスを2月中旬から開始する。これは,同社が提供中の検疫ネットワーク・サービス「NETBUREAU」の新バージョン。現在提供中のサービスは,NET&COM 2005でデモを見ることができる(写真)。

 NETBUREAUは,社外から社内ネットワークにアクセスする際,事前にクライアント・パソコンの“安全性”を確認し,安全だと判断されて初めて,社内ネットワークに接続させるサービス。安全性は,OSに最新のパッチ(修正ファイル)があてられているかや,ウイルス対策ソフトの定義ファイルが更新されているかなどで判断する。

 具体的な使い方は,以下の通り。まずユーザーは,社内ネットワークにアクセスさせたいクライアント・パソコンにUSBキーを差し込み,ユーザー認証を行う。認証が終わるとクライアント・パソコンは自動的にKCCSのデータセンターに接続され,安全性を確認するための情報をダウンロードして検査。検査に合格したパソコンのみ,あらかじめ指定されたネットワークに接続させる。

 現在のNETBUREAUでは,USBキーを差し込んだ際のユーザー認証をパスワードの入力で行っている。そのため,USBキーを紛失した場合,パスワードを推測されて使われると,他人になりすまされてしまう危険性があった。そこで新サービスでは,指紋認証機能付きのUSBキーを採用。USBキーの指紋読み取り部分に指を置くと自動的にユーザー認証を実行する。認証に合格しないと次のステップに進めないため,結果的に目的のネットワークには入れない。USBキーを他人に使われたときのなりすましを防げるほか,ユーザーがパスワードを管理する必要がなくなる。

 認証機能付きのUSBキーの価格は,1個あたり1000円程度を予定。そのほか,サービスを利用するための基本料(100ユーザーの場合月額15万円)とユーザー利用料(1ユーザーあたり月額1890円)が必要になる。

(半沢 智=日経NETWORK)