企業のためのITソリューション展NET&COM 2005で賑わいを見せているのが,ネットワーク最前線2005コーナーの「検疫ネット・ホットステージ」である。全19社がデモを“競演”。デモの内容に対して質問したり,プレゼンテーションに聞き入る来場者の姿が目立つ(写真,関連記事)。

 検疫ネットワークとは,ウイルスに感染していないか,適切なパッチ(修正ファイル)をあてているかなど,クライアント・パソコンの“安全性”をチェックしてから社内ネットワークに接続させようというセキュリティ・ソリューションである。企業ネットワークのセキュリティを確保するための新しい手段として注目が集まっている

 今回のホットステージの最大の特徴は,実際に製品を使ったデモを見れること。検疫ネットワークは,大手のネットワーク機器ベンダーやウイルス対策ベンダーの製品がやっと出揃った段階であり,各社の実製品の動作を並べて見ることができる機会は多くない。検疫ネット・ホットステージでは,説明員が解説するだけでなく,来場者が自分のノート・パソコンを使って検疫ネットワークの動作を体験できる仕組みを用意しているブースもある。

 例えば富士通のブースでは,「PFU検疫ネットワークシステム」を使って,来場者が持参したノート・パソコンのセキュリティをチェックしている。パソコンをLANにつないでWebブラウザを立ち上げると自動でパソコンのセキュリティ・チェックを開始。パッチやウイルス対策ソフトの定義ファイルが最新と判断された場合に限って,特定のネットワークに接続できる。

 京セラコミュニケーションシステムが体験デモを実施しているのは,同社の「NET BUREAU POLICY ENFORCER」。こちらは,持参したパソコンに認証用のUSBキーを挿入する。すると自動的にそのパソコンの安全性を調べて点数を表示する。点数の低いパソコンの通信は遮断され,一定以上の点数のパソコンだけが特定のネットワークに接続できる。

 前述したように,検疫ネットワークの製品は,まだ登場して間もない。検疫ネットワークの概要は知っていても,具体的な利用イメージがつかみづらいユーザーが多いかもしれない。そうしたユーザーは,このようなデモを通じて検疫ネットワークの実際を体験してするのも手である。

(半沢 智=日経NETWORK)