基調講演を行う山口英氏

 アジア太平洋地域を活動拠点とするウイルス対策に関する非営利団体「AVAR」(エイバー,Association of anti-Virus Asia Researchers)による国際会議「AVAR 2004 in Tokyo」が千葉県・浦安市で開催された。開催期間は11月25日と26日の2日間。前回国内で開催されたのは2000年であり,4年ぶりの開催となった。

 AVAR2004は,ウイルス対策分野では世界最大級の国際会議として認知されている。今回も,世界中からウイルス対策の専門家や政府関係者などが参加。最新のウイルス対策技術の研究成果や最新動向などを発表する。

 発表内容を見ると,スパイウエアやフィッシング詐欺をはじめとする個人情報保護対策や,携帯電話や無線LANのようにワイヤレス技術を悪用するタイプの脅威についての発表が多い。最近のウイルス分野の動向を色濃く反映したものになっている。

 午前中は,開会セレモニーに続いて,国内および韓国,中国を含めた3カ国のセキュリティ事情に関するパネル・ディスカッションが開かれた。日本からは経済産業省,総務省,警察庁,IPA(独立行政法人・情報処理推進機構)のセキュリティ担当者がパネリストとして参加した。

 午後からのセッションでは,まず山口英・内閣官房 情報セキュリティ対策推進室 情報セキュリティ補佐官が講演。インターネットに依存する各種インフラで大規模なトラブルが発生した際の対応について,現状の政府の取り組みを紹介した。

 基調講演に続いては,大手ウイルス対策ソフト・ベンダーの専門家による研究発表が行われた。内容は追って紹介する。

(斉藤 栄太郎=日経NETWORK)