パソコンのディスプレイに表示された電話番号を,マウスで選択,クリックするだけで相手に電話がかかる――。アプリケーションは選ばない。ダイヤル・ボタンを押したり,電子電話帳を使ったりする必要はない。日立インフォメーションテクノロジー(日立IT)は,このようなIP電話システムをデモンストレーションしている。このシステムは,同社が開発・販売するIP電話システム「SIP:OFFICE」の新機能である。本日(5月19日),この機能を搭載した製品の販売を開始した。

  写真1 画面上の電話番号を反転表示。クリックするとその電話番号に電話がかけられる。画面は,サイボウズのグループウエアの画面から電話をかけているところ。クリックして全体表示。

 使い方はこうだ。まず,ディスプレイ画面に表示された電話番号をマウスでドラッグして選択,反転させる。その反転させた部分を,マウスの中央のボタンをクリックすると,その電話番号に電話をかけるメニューが表示される。それをクリックすると自動的に電話がかかる(写真1)。その後,パソコンにつないだハンドセットやIP電話機で通話ができる。

 ポイントは,Windows上で動作するアプリケーションならば,すべてこの機能が使えるというところ。これまでも本ソフトでは,WebブラウザのInternet Explorerやメール・ソフトのNotesで,これと同じ機能を使うことができた。しかし,そのためには,アプリケーションごとに別途プラグイン・ソフトが必要で,対応するのはこの二つのソフトに限られていた。

 今回の新機能は,新たに「PopTel」という常駐ソフトを搭載し,この常駐ソフトがSIP:OFFICE本体と連携することで実現した。こうすることで,ソフトウエアの種類を選ばずにこの機能を利用できるようにした。そのため,名刺管理ソフト,グループウエア・ソフト,PDFファイルの画面など,ユーザーが普段使っているソフトの画面上の電話番号を使って電話をかけられる。

 この新機能を搭載したSIP:OFFICEのクライアント・ソフトは,本日から販売開始。価格は,1ユーザー1万8000円である。

(半沢 智=日経NETWORK)