米IPインフュージョンは,「NetWorld+Interop 2001 Las Vegas」の会場で独自開発したルーターOS「ZebOS」をデモンストレーションした。ZebOSはIPv4に加え,IPv6に対応したルーターOS。FreeBSDやLinuxなどのフリーUNIXやリアルタイム系OS上で動作する。同社のCTOである石黒邦宏氏が開発したフリーのルーターOS「Zebra」をベースに商用化したものである。

 会場では,ZebOSのライセンス先である米オプティカル・アクセスなどルーターを展示した。ZebOSはほかにも米PMC,米VITESSEなど6社のネットワーク・プロセッサ・ベンダーへのライセンス提供が決定している。

 ZebOSが搭載するルーティング・プロトコルは,IPv4向けがRIP,OSPF,BGP4,IPv6向けはRIPng,OSPFv3,BGP4+である。米国でOSPFの代わりによく使われるIS-ISにも,今後対応する予定。また9月には,IPv6版のMPLSにも対応したバージョン2.0を投入する意向である。

 ルーターOSのベンダーとしては,UNIX向け経路制御プログラムgatedを商用化している米ネクスト・ホップなどがあるが,IPv6に対応しているルーターOSは今のところZebOSだけ。また4月にIPv6対応のルーターを出荷したばかりの米シスコ・システムズのルーターOS「IOS」と比べると,動作環境を選べることや,シスコが実装を終えていないOSPFv3をサポートしていることなどの特徴がある。

 なお同社は,ZebOSの開発と平行して,フリーのZebraについても機能拡張を継続する。フリーUNIXを搭載したマシンにZebraをインストールすれば,ZebOSとほぼ同等の機能を備えたIPv6ルーターを作ることができる。

(高田 学也=日経NETWORK,米ラスベガス発)