WebブラウザといえばInternet Explorer(IE)――。そうした状況の中,IE以外のWebブラウザが注目を集めている。2004年11月に公開されたFirefox 1.0は,2005年1月末時点でダウンロード数が2000万を超えた。1996年に最初のバージョンをリリースしたOperaは,2004年7月に日本語版のOpera 7.5を出荷した。

 FirefoxやOperaは,軽量のプログラムで動作が速く,使い勝手やセキュリティが優れているといった点をアピールする。では,IEを使ってきたユーザーがこれらのブラウザを気に入ったら,簡単にブラウザを乗り換えられるのだろうか。ブラウザを乗り換える際に情報はどこまで移管できるのか。今回はこの点にフォーカスする。

 IEからの移行がもっとも容易なのは,Firefoxだ。操作は簡単で,移管できる情報の内容も豊富である。

 FirefoxがIEから引き継げる情報は,ブックマーク,表示履歴,Cookie,プロキシ・サーバーなどの設定情報,入力フォームへの入力履歴,IEに記憶させているパスワードなど多岐にわたる。IEだけでなく,Operaからもブックマーク,表示履歴,Cookie,および設定情報を移行できる。

 一方Operaは,IEとFirefoxからブックマークを引き継げる。インストール時には,IEのネットワーク設定を自動的に取り込む。

 このように,FirefoxとOperaはIEから情報を引き継ぐ機能を備えている。では逆に,FirefoxやOperaからIEへ情報を移管することはできるのだろうか。

 IEにも,ブックマークをインポートするメニューがある。しかし,OperaやFirefoxのブックマークを読み込んでも,IEのブックマークに追加されない。IEのインポートは,IE間のブックマーク交換用と考えたほうがよい。

 このように,情報を他のブラウザから引き継ぐ機能は,Firefoxがもっとも充実しており,Operaがそれに続く。

 IEユーザーがOperaやFirefoxに移行するのは簡単だ。ただし,いったん移行した後でIEに戻るときは,OperaやFirefoxで追加した情報を手作業で移し変えることになる。

阿蘇 和人