ソフトバンクは2005年8月11日,2005年度第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。営業損益は31億円の赤字となったが,6月を単月で見ると5億円の黒字となった。決算発表の席上で孫正義社長は,「トンネルには出口があるものだ。我々もようやく5年間の長いトンネルを抜けた」と表現した。さらに「通期でも数百億円規模の営業利益を確保できる」と強気の見通しを示した。

 この見通しをグループとして実現するためにソフトバンクは,最優先事業としてきた直収型固定電話サービス「おとくライン」の営業戦略を大きく変更することを表明した。今まで多大なコストをかけてきた個人ユーザーの獲得の手を緩め,企業ユーザーの取り込みに軸足を移す。これに伴い,「2005年9月までにADSL(非対称デジタル加入者線)サービスの加入者数と,おとくラインの契約回線数の合計を650万件にする」としていた経営目標について,「今後は数値目標の達成よりも利益を着実に出すことに力点を置く」とした(詳細は日経ニューメディア2005年8月15日号に掲載)。