民放キー局系のBSデジタル放送事業者が,単年度黒字化を目指す動きを加速し始めた。例えば,テレビ東京系のBSジャパンは2005年6月に作成した事業計画で,2008年3月期の単年度黒字化を目標として掲げた。またBSフジも,2008年3月期をメドに黒字体質に転換することを計画している。

 民放キー局系のBS放送事業者5社の中で,単年度黒字を達成したところはいまだにない。各社は広告収入を基盤とした無料放送を行っているが,BSデジタル放送の視聴世帯数は1000万世帯に達しておらず,BSデジタル放送はまだ広告媒体として存在感を示すことができていない。このため各社は,番組の内容と関連付けてスポンサー企業の商品を紹介する「インフォマーシャル番組」を企画するなどして,広告収入の拡大を目指してきた。しかし,現時点では黒字化を実現するだけの広告収入を確保できていないのが現状である(詳細は日経ニューメディア2005年7月25日号に掲載)。