KDDIは2005年6月15日に,移動通信と固定通信のサービスを統合したネットワークで運用・提供する次世代通信インフラ「ウルトラ3G」を構築すると発表した。移動通信用の「CDMA2000」の次世代規格をベースに,2007年中に構築に着手する。統合網では,第3世代移動通信(3G)サービスだけでなく,無線LANや移動通信対応の無線MAN(メトロポリタン・エリア・ネットワーク)方式「IEEE802.16e」(WiMAX)による新たな無線サービス,固定系のFTTH(ファイバー・ツー・ザ・ホーム)やADSL(非対称デジタル加入者線),メタル回線を使った直収型固定電話など,あらゆるアクセス系サービスを収容する計画である。

 2004年に英BTが固定電話網のオールIP化構想を発表して以来,世界各国でもこれに続く動きが出てきていた。だが今回のKDDIの計画は,IPベースで構築する次世代の移動通信網に,固定系の通信サービスも取り込んで統合網を構築するという世界的に見ても先進的な取り組みになる(詳細は日経ニューメディア2005年6月20日号に掲載)。