エフエム東京(FM東京)は2005年6月7日,「デジタルラジオ ニュービジネス フォーラム」を立ち上げた。地上デジタルラジオ放送で実現する高度サービスなどの事業性を検証し,それを利用するための受信機の開発を支援する組織である。FM東京の呼びかけに応じて,デジタルハリウッドやぴあなどのコンテンツ関連企業や,ソニー,松下電器産業,シャープ,パイオニアといった受信機メーカーなど合計63社がフォーラムの会員として名を連ねた。

 これまでもFM東京は,デジタルラジオ放送の実現に向けて活発に動いてきた。総務省に働きかけた結果,既に制度面では事業化にメドを付けることに成功している。総務省は,「デジタルラジオ時代のラジオ放送の将来像に関する懇談会」を通じて,ラジオ放送のデジタル化計画を作成してきた。2005年6月中の報告書の取りまとめに向けて,5月に報告書案を公表したところである。その内容は,FM東京がラジオ業界の急先鋒になり要求していた「デジタルラジオ放送の前倒しでの事業化」という主張を全面的に受け入れたものとなった。

 放送を始めるに当たっては,メーカーにデジタルラジオ放送受信機を発売してもらわなければならない。ただ現状では受信機を積極的に発売したいというメーカーはほとんど見当たらない。そこで発足させたのが今回のフォーラムというわけだ(詳細は日経ニューメディア2005年6月13日号に掲載)。