米国の大手地域系通信事業者のBellSouthは2005年6月7日(米国時間),高速無線通信方式「WiMAX」をベースに開発した固定無線通信(FWA)装置を使って,8月から無線ブロードバンド(高速大容量)サービスを開始すると発表した。個人や中小企業向けのサービスで,ADSL(非対称デジタル加入者線)などの固定回線によるブロードバンドサービスを展開しにくい地域で提供するという。まず8月に,ジョージア州アテネで開始し,2005年中にフロリダ州のいくつかの町でも提供する計画である。

 WiMAXはIEEE(米国電気電子技術者協会)の802.16委員会が標準化している無線MAN(メトロポリタン・エリア・ネットワーク)方式であり,FWAとして使う場合の規格「IEEE802.16-2004」が既に標準化されている。ただしこのFWA規格についても,現在は業界団体のWiMAXフォーラムが複数の製品の相互接続性を検証している段階であり,正式なWiMAX準拠の製品はまだ出荷されていない。今回BellSouthは,子会社の米NaviniNetworksが開発したWiMAXフォーラム認定前の製品を使って,サービスを実現する計画である(シカゴ発)。