NTTドコモは,非接触ICカード技術「モバイルFeliCa」に対応した携帯電話機「おサイフケータイ」を使うクレジットカード事業に参入するため,2005年6月末にも三井住友カードの34%の株式を取得する。NTTドコモは新たに自社ブランドでクレジットカード事業を展開し,携帯電話機を使ってクレジット決済をできるようにする。おサイフケータイの利用者数は2005年4月末時点で約334万人に達しており,「2005年度中には1000万人を超えそう」とNTTドコモはみている。ただしFeliCa対応の店舗端末は,電子マネー「Edy」を推進するビットワレットが約2万店に設置した段階である。NTTドコモは,ビットワレットなど他社と合わせた対応店舗端末の導入店を早期に10万店まで増やしたいと考えている。そこで三井住友カードと協力して,まずは店舗端末を普及させ,おサイフケータイの利用頻度を高めることを狙う。

 とはいえ,膨大な数の加盟店で利用できる既存のクレジットカードと比べると,当面おサイフケータイの利用場面は限定的になる。そこでNTTドコモは,新サービスのユーザーに「親カード」となる従来型のクレジットカード(プラスチックカード)を発行する予定である。米Visa Internationalなど大手クレジットカードブランドの提携カードとして発行すれば,既存の加盟店でも利用可能になる。新サービスは,この親カードと連携する「子カード」が携帯電話機に内蔵されるイメージになるという(詳細は日経ニューメディア2005年5月30日号に掲載)。