総務省は2005年5月11日に,「平成16年度(2004年度)電気通信事業分野における競争状況の評価(案)」に関する通信事業者向けの説明会を開催した。評価案は4月26日に公表したもので,2004年度は携帯電話とPHSといった移動通信サービスとIP電話サービスの市場について新たに分析し,主に移動通信分野に関する競争状況について総務省の見解をまとめた。同省は評価案に対する意見募集を4月26日に開始し,6月1日まで受け付ける。今回の説明会では評価案の概要を総務省が説明し,通信事業者からの質問に対して回答した。

 評価案で焦点となった携帯電話サービスは,現在NTTドコモとau(KDDIと沖縄セルラー電話),ボーダフォン,ツーカーの4グループが提供している。2005年3月末の加入者数(合計8700万件)ベースでみると,NTTドコモのシェア(市場占有率)は54.8%,これにauとボーダフォンを加えた3社合計のシェアは92.6%である。こうした状況について評価案では,「高度に集中した寡占状態といえる」とした。もっとも,現在の状況は1990年代後半から携帯電話事業者の再編が進んだ結果ともいえる。こうしたなかで総務省は評価案で,「寡占かどうかに競争評価の関心はなく,寡占によって事業者間で協調関係が成立しているかどうかを検証することが重要」としていた(詳細は日経ニューメディア2005年5月16日号に掲載)。