NTTドコモとKDDI，ボーダフォン，ツーカーセルラー東京の4社は2005年4月26日，携帯電話用基地局からの電波が生体に与える影響を調べるために2002年11月から実施している実験の中間結果を発表した。実験の結果，「通常と比べて10倍の強度の電波を人間の細胞に放射した結果，細胞の増殖や遺伝子の働きに影響を与える可能性がないことを確認した」としている。4社は今回の実験結果を，2005年6月に開催される電磁波の生体影響に関する国際会議「BEMS Annual meeting 2005」で発表する。

　4社は今回の実験を，細胞を使う安全性試験で実績がある三菱化学安全科学研究所に委託して実施した。実験で使用したW-CDMA方式の電波照射システムは，NTTドコモが設計・開発したものである。このシステムを使って，正常な胎児と小児，脳腫瘍（2種類）の合計4種類の細胞に電波を照射し，照射しない場合との違いを検証した。人間の遺伝子の半分（約2万種）が今回の実験で使った細胞の中で活動しているという（4月26日発表）。