NTT東西地域会社が認可申請した2005年度の電話接続料(NTT東西に他事業者が支払う加入電話網の設備使用料)を巡って,固定電話事業を手がける通信事業者の一部に動揺が広がっている。料金案はNTT東西が2月25日に認可申請したもので,現在総務省が3月17日を期限にした意見募集を行っている。提示された接続料は,GC(加入者交換局)接続の場合が3分間5.32円,ZC(中継交換局)接続が3分間7.09円である。2004年度に比べてGC接続料で2.7%,ZC接続料で14.9%の引き上げとなる。

 こうした料金案に対してある事業者は,「GC接続料に比べて,ZC接続料の引き上げ幅が大きすぎる」と驚きの声を上げる。GC接続料については,2004年に今回の接続料算定ルールを審議していた過程で総務省が「新ルールでは2005年度は5.2~5.4円」と概算値を公表しており,今回の引き上げ幅もその範囲内に収まった。しかしZC接続料については,審議の過程で2005年度の概算値が公表されていなかったうえ,これまで1円程度で収まっていたGC接続料との差が約1.7円まで開いた。ZC局で相互接続する割合が多い通信事業者は,「発信と着信で2回の接続料を支払うことになる中継電話サービスは,事業を継続すること自体が困難な状況に追い込まれた」と言う(詳細は日経ニューメディア2005年3月14日号に掲載)。