総務省は2005年2月8日,800MHz帯における第3世代移動通信(3G)サービス用周波数の再割り当てについて,当初の方針案通りNTTドコモとKDDIにそれぞれ15MHzの帯域(片方向につき,以下同じ)を割り当てる方針を決定した。NTTドコモとKDDIは方針決定を受けて,2012年までに800M~900MHz帯を使う現行の移動通信サービス用システムの利用を終了し,既に割り当てられている2GHz帯の周波数や今後利用可能になる800MHz帯の新周波数などを使う3Gシステムにユーザーを移行させる。総務省は,「具体的な周波数の移行計画は各事業者に検討してもらい,800MHz帯の新周波数の割り当て時期は事業者の申請を受けてから検討する」としている。

 800M~900MHz帯では現在,NTTドコモが29MHzの帯域を,KDDIが15MHzの帯域を利用している。これが800MHz帯の用途再編のための再割り当てが実施されると,それぞれが使える帯域は15MHzになる。KDDIに割り当てられる帯域幅は変わらないが,NTTドコモへの割り当ては14MHz分だけ減少する。このため,ソフトバンクBBによる800MHz帯の割り当て要求が今回の方針で却下されたとはいえ,特にNTTドコモとって不足分の周波数帯域の確保などの悩みは尽きない(詳細は日経ニューメディア2005年2月14日号に掲載)。