ソフトバンクBBは2004年12月下旬に,NTT東西地域会社の光ファイバー回線の開放義務の必要性について,自社の考え方を訴える記者説明会を開催した。現在NTT東西は,総務省が認可した料金(接続料)で他社に貸し出すことが義務付けられる「指定電気通信設備」から,自社の光ファイバー回線を除外するように総務省に要求している。NTT東西は,光ファイバー回線を他事業者に相対料金で貸し出せるようにすることで,投資費用に見合った料金を回収したい考えだ。これに対してソフトバンクBBの孫正義社長は,「適切な開放ルールが維持されなければ,これからのFTTHサービスの発展が阻害されることになる」と,NTT東西の動きをけん制した。

 孫社長は説明会で,「光ファイバー回線は,メタル回線を敷設するために集めた資金で構築した管路やとう道,電柱といったNTT東西の設備を使わなければ到底引くことはできない」と強調した。そのうえで,「他事業者がNTT東西からこうした設備を借りるための手続きなどが整備されておらず,事実上,NTT東西が引いた光ファイバー回線を借りるしかない」として,現行の開放ルールが維持されなければ他事業者はFTTHサービスを提供できないと訴えた(詳細は日経ニューメディア2005年1月10日号に掲載)。