携帯電話事業への新規参入を目指しているソフトバンクBBは2004年12月6日,総務省に800MHz帯における無線局免許を申請したと発表した。今回ソフトバンクBBが申請したのは,実験用ではなく事業用の本免許である。

 総務省は現在,800MHz帯については「新規事業者に割り当てる空き帯域はない」との立場をとっている。さらに,800MHz帯の再編を進めるための周波数割り当て作業も,ソフトバンクBBが総務省を相手取って10月に起こした行政訴訟によって中断している状況だ。そうしたなかで同社が免許申請に踏み切ったことは,正規の手続きを無視した「奇襲作戦」のようにもみえる。しかし,同社が今回の申請で狙ったのは,実際に申請した内容通りに免許を取得するということ以前に,「800MHz帯を新規参入事業者にも割り当ててほしい」という主張を総務省が無視できない状況にすることのようだ(詳細は日経ニューメディア2004年12月13日号に掲載)。