NHKは,携帯電話を使った視聴率調査システムの実証実験を2004年11月中旬に行う。「全国個人視聴率調査」の対象者の一部である約900人に,テレビ受像機のリモコン機能を搭載した携帯電話を貸し出す。リモコンの操作履歴を1分単位で蓄積し,毎朝5時にNHKのサーバーが収集する。NHKは調査対象者の操作履歴から,1分単位のきめ細かな視聴率を把握できる。

 NHKが今回の視聴率調査システムをNTTドコモなどと共同開発した理由は,全国個人視聴率調査で従来よりきめ細かい視聴データを収集し,今後の番組の制作や編成に活用するためだ。さらに,2006年に始まる予定の移動体向けの地上デジタル放送(移動体放送)で,視聴率調査を実施する場合に備えるという目的もあるようだ。端末メーカーは移動体放送の受信機能を内蔵した携帯電話機をすでに試作しており,視聴者が希望した場合は,将来的に視聴調査システムの端末機能を持たせることも容易と考えられる(詳細は日経ニューメディア2004年11月15日号に掲載)。