ケーブルテレビ(CATV)統括運営会社の「ジュピターテレコム」(J-COM,本社:東京都港区,社長:森泉知行氏)が,CATV電話のプラットフォーム提供などでほかのCATV事業者との提携戦略を一気に加速した。その背景には,「競争環境が厳しくなり,CATV事業者が生き残りをかけた戦いをしなければならない状況になっている。全国規模で資金力もある大手通信事業者に対抗するには,もはや日本全国のCATV事業者が連合するしかない」との強い思いがある。

 同社は,放送サービスとインターネット接続サービス,加入電話の代替が可能なCATV電話サービスの三つをセットで提供する「トリプルプレイ」を日本で初めて実現し,これまで成長を続けてきた。しかし2003年以降に,FTTH(Fiber To The Home)回線などを使ってトリプルプレイの市場に参入する通信事業者が相次いだことで状況が変わり始めた。さらに,ここにきてKDDIやソフトバンクグループの日本テレコムが,加入電話を代替できる固定電話事業に参入することになった。これによりJ-COMは,同じトリプルプレイの市場でKDDIやNTTグループ,ソフトバンクグループといった大手通信事業者との競争が本格化するとみている(詳細は日経ニューメディア2004年9月20日号に掲載)。