KDDIは2004年7月12日,最大伝送速度が2.4Mb/sの高速パケット通信規格「1x EV-DO」を採用した第3世代移動通信サービス「CDMA 1X WIN」用の携帯電話機の新製品3機種を,7月下旬から順次発売開始すると発表した。2003年11月に発売した初代モデルは主にパケット通信量が多いヘビーユーザーを対象にした製品だったが,今回はGPS(全地球測位システム)機能などを省略して価格を抑えた機種「W21K」(市場価格は1万5000円台の見通し)も投入した。一方で,FM放送チューナーや200万画素のカメラなどを搭載した高機能機種「W21SA」(同2万円台後半)も発売する。こうしたラインアップの追加によって,「今後は幅広い加入者層に1X WINをアピールしていく」という。2003年11月末に開始した1X WINサービスの加入者数は6月末時点で約60万件にとどまるが,今回の新機種投入によってこれを2005年3月までに300万件にする目標である。

 KDDIが1X WIN対応端末の普及を目指す背景には,「携帯電話を映像メディアとして育てたい」という狙いがある(詳細は日経ニューメディア2004年7月19日号に掲載)。