TDD(時分割復信)方式に対応した第3世代移動通信(IMT-2000)システムの導入を検討している情報通信審議会の「IMT-2000技術調査作業班」は2004年7月13日に,同方式に関する技術動向などをまとめた報告書案を作成した。今回の報告書案では,ITU-R(国際電気通信連合無線通信部門)のTDD規格に含まれている「TD-CDMA」(時分割復信符号分割多元接続)方式と「TD-SCDMA」(時分割同期復信符号分割多元接続)方式を取り上げた。またIMT-2000の標準規格ではないが,米Navini Networksが開発した「TD-SCDMA(MC)」(複数の搬送波によるTD-SCDMA)方式と,京セラが開発した「iBurst」方式,PHS方式(参考技術)についても調査した。これらの5方式について,それぞれの世界における実用化の状況や技術仕様,周波数の利用効率などをまとめて盛り込んだ。

 今回の報告書案は9月上旬にも,作業班の親会である「携帯電話等周波数有効利用方策委員会」に提出され,その後に報告書として公表される見通しだ。この報告書を参考にして総務省は,TDD対応サービスを日本で導入するための検討を進めていく。