主な放送事業者の2003年度決算が出そろった。電通によると,2003年(1~12月)のテレビ広告市場は前年に比べて0.7%の増加となり,3年ぶりに増加に転じた。こうした状況で民放キー局では,フジテレビジョンが最も売り上げを増やした。連結ベースの売上高は前年度より6.3%増えて4559億4500万円である。視聴率の上昇や映画・イベント事業の成功が主な要因だ。同社は2003年度に,プライムタイムの視聴率で日本テレビ放送網を抜いて1位になった。2位になった日本テレビの2003年度の連結売上高は,3283億7400円と2.4%の減収である。

 有料衛星放送市場でも,2社の決算の明暗が分かれた。ディジタルCS放送のプラットフォーム事業者である「スカイパーフェクト・コミュニケーションズ」は,2003年度の連結経常損益で48億5300万円の黒字を確保し,創業以来初めて黒字化した。一方,BS放送の有料放送事業者であるWOWOWは,連結経常損益が前年度の11億5200万円の黒字から2003年度は2億7200万円の赤字に転じた(詳細は日経ニューメディア2004年6月7日号に掲載)。