主な電気通信事業者の2003年度(2004年3月期)決算が,出そろってきた。通信業界ではここ数年間,移動通信市場の拡大傾向が続いていた。しかし,その成長が鈍るなかで2003年度に,業界3位のボーダフォンが減益に転じた。また固定系通信市場では,NTT東西地域会社がかろうじて増益を達成したが,長距離系の通信事業者は軒並み減収減益となった。

 改正電気通信事業法が施行され「相対契約」が可能になったことで競争が活発になるため,2004年度も固定系通信の市場規模が引き続き縮小するという見方が多い。一方で,移動通信事業でも定額制サービスによる競争が進むことから,NTTドコモも2004年度は減収や減益が避けられないと予想した。このため2004年度は通信業界全体で,新たな収益源を開拓する動きが活発になるとみられる(詳細は日経ニューメディア2004年5月31日号に掲載)。