日本音楽著作権協会(JASRAC)は2004年5月19日に,2003年度の音楽著作権使用料の徴収実績を発表した。CDの出荷に伴って発生する使用料の徴収額が減った一方で,DVDやDVDレコーダーの出荷関連や,インターネットを使った音楽配信関連の徴収額が大幅に増えた。音楽を供給する手段が,大きく変わり始めたことが改めて浮き彫りになった。

 2003年度の徴収総額は1094億7201万円と,前年度よりも3.2%増え,過去最高を記録した。徴収総額が増加した主な要因が,DVDの普及だ。DVDをはじめとする映像ソフト「ビデオグラム」の出荷により発生する著作権使用料の徴収額は,前年度より35.4%増えて137億1586万円であった。また,ディジタル方式の録画機を出荷したメーカーに課す「私的録画補償金」も,DVDレコーダーの好調な販売状況を反映して増えた。このほか,インターネットをはじめとする通信回線経由の音楽配信「インタラクティブ配信」の著作権使用料の徴収額は82億1370万円で,前年度よりも7.3%増加した(詳細は日経ニューメディア2004年5月24日号に掲載)。