移動通信事業への参入を検討しているADSL(非対称ディジタル加入者線)事業者の「イー・アクセス」(本社:東京都港区,社長:千本倖生氏)は2004年4月21日,米国企業が開発した「TD-SCDMA(MC)」(複数の搬送波による時分割復信同期符号分割多元接続)方式を使う移動通信システムの実証実験を,5月中旬に東京都内で開始すると発表した。東京都港区に基地局を1局設置して実験を開始する。その後,総務省から追加の実験免許を取得して,渋谷区と新宿区でも実験を行う計画である。

 実験では,PCカード型の通信機器を使ってTD-SCDMA(MC)方式の実効速度を測定したり,VoIP技術を使った音声通話試験などを行う予定である。実験結果は,第3世代移動通信(3G)システムの新技術などを調査している情報通信審議会の「IMT-2000技術調査作業班」に提出するなどして,同方式の早期実用化を働きかけるという(4月21日発表)。