総務省は2004年4月12日,東経110度CS放送「SKY PerfecTV! 110」への新規参入を希望する事業者と既存の委託放送事業者から受け付けていた委託放送事業の業務認定申請の結果を発表した。2004年3月12日から4月9日まで受け付けていたもので,新規参入を希望する事業者と既存事業者の合計13社から14件の申請があった。現在CS放送業界では,受信機が共用になるディジタル地上波放送とディジタルBS放送に対抗するため,東経110度CS放送でもHDTV(ハイビジョン)放送を行う必要があるという声が強まっている。こうした声を反映して今回の申請では,ハイビジョン放送計画を打ち出す事業者が相次いだ。

 今回総務省が新規参入の申請を受け付けたのは,東経110度CS放送の委託放送事業者の中から,一部のチャンネルの放送を休止したり,委託放送事業から撤退したりする動きが出てきたためである。その結果,衛星のトランスポンダ(電波中継器)の伝送容量に,92スロット(トラポン約2本分の伝送容量に相当)の空きができた。この空いた伝送容量が,新規参入事業者に割り当てられる。一方,既存事業者から申請を受け付けたのは,東経110度CS放送のサービス内容を改善して事業のテコ入れを目指す業界の動きを後押しするためである。保有している伝送容量の中でチャンネル内容を大幅に変更する既存事業者が,申請の対象になった(詳細は日経ニューメディア2004年4月19日号に掲載)。