NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2004年4月15日,「050」ではじまる専用番号を使って発信・着信ができるIPテレビ電話サービス「ドットフォン パーソナルV」を,5月10日に開始すると発表した。同社が今後の成長を期待する「映像コミュニケーション事業」の基幹商品に位置付けている。シャープとソニー,NEC,富士通のパソコンメーカー4社が,自社のパソコンに同サービス専用ソフトを同梱(こん)するなどして販売に協力し,2年間で100万人の加入者獲得を目指す。

 新サービスの特徴は,NTT Comのインターネット接続サービス「OCN」の加入者だけでなく,他のインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)のブロードバンド(高速広帯域)サービス経由でも利用できることである。利用者がオンラインで利用を申し込むと,NTT Comが用意した通話品質監視システムが,申込者のインターネット接続速度や通話品質を自動的にチェックする。その結果,一定の通話品質が保てると判断した場合にだけ申し込みを受け付ける。NTT Comによると「日本のほとんどのブロードバンドサービスで利用できるはず」だという。こうした仕組みにより,一定の通話品質の維持が要求される「050番号」の割り当てを可能にした。ISPを限定せずに050番号を割り当てる電話サービスは,日本初だという。

 ドットフォンパーソナルVは,NTT Comが開発したパソコン用の専用ソフトでIPテレビ電話機能や,ファイル交換機能,チャット機能などを実現するサービスである。ドットフォンVの利用者同士で映像付きの通話ができるほか,固定電話や携帯電話,IP電話などとの間でも音声による通話ができる。通話料はドットフォンVの利用者同士の通話が無料であるほか,NTT Comが提供するIP電話サービスの利用者,NTT ComのIP電話基盤網を利用するISPなどへの通話も無料となる。そのほかの固定電話やIP電話への通話は3分間8.5円で,携帯電話への通話は1分間18.9円である(4月15日発表)。