情報通信審議会は2004年3月16日,NTT東西地域会社の2003年度の電話接続料について,事後精算ルールに基づいて仮精算を行うことを認可する答申を出した。東西NTTが2004年2月に申請していたものである。答申に従って東西NTTは,現行の接続料では回収できない加入電話網の維持費用の不足分として,両社合計で340億円を他事業者から徴収する約款変更を行う。その後,2003年度の通話トラフィック(通話量)が確定する2004年秋に再び精算額を算出し,本精算を行う計画である。

 情通審は今回,仮精算の方法や金額については「現行の接続料規則で定められた算定式に従って算出されたものであり,認可することが適当である」とした。しかし,事後精算ルールを含む現行の接続料算定方式については「今後大幅な見直しが必要」とする見解を表明した。現行の接続料規則では,東西NTTの電話接続料を算出する方式として,長期増分費用(LRIC)方式を採用している。3月16日の情通審では,「事後精算制度などの対症療法でLRIC方式を維持するのは限界ではないか」という疑問の声が出た(詳細は日経ニューメディア2004年3月22日号に掲載)。