NTT(持ち株会社)グループが,自前の光ファイバ回線を使った多チャンネル放送サービスを実現するための動きを加速している。スカイパーフェクト・コミュニケーションズの子会社「オプティキャスト」に対しては,NTT東西地域会社が「有線役務利用放送」(ブロードバンド放送)用の光ファイバ映像伝送サービスを提供する見通しだ。これを利用してオプティキャストは,東京都心の集合住宅などを対象に多チャンネル放送を2003年12月から始める。

 また,NTT東日本の子会社でインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)の「ぷららネットワークス」は,東西NTTのFTTH(Fiber To The Home)サービス「Bフレッツ」などを使ってIP方式でテレビ番組を配信する放送用プラットフォームを構築した。ジュピター・プログラミング(JPC)などが設立した「オンラインティーヴィ」が2003年中にも,このプラットフォームを使って多チャンネル放送を開始する。これらの例でNTTグループが描くのは,通信と放送の両サービスを併せて提供可能にすることでより多くのFTTHユーザーを獲得し,NTTグループがインターネット接続用の通信サービスなどを一手に担うというシナリオだ(詳細は日経ニューメディア2003年10月13日号に掲載)。