全国のFM放送事業者53社が2003年末までに,KDDIの携帯電話サービス「au」の新端末でFM放送を聞けるようにする。オンエア中の楽曲の曲名や歌手を,携帯電話のインターネット接続機能を使ってリアルタイムで確認したり,将来は楽曲が収録されているCDの購入できるようにするなど,FM放送と移動通信サービスの連携を図る。いずれNTTドコモやJ-フォンとも提携して,同様のサービスを提供する方針である。

 携帯電話サービスの加入者数は,2003年8月末時点で7800万件に達している。FM放送の聴取率は増加傾向にあり,爆発的に普及した携帯電話機でFM放送が聞けるようにして,聴取率をさらに増やすのがFM放送各社の狙いである。また,「今回のKDDIとの提携は,2011年以降のディジタル地上波ラジオ放送の本格化をにらんだ取り組みの一つ」(FM放送事業者の首脳)という(詳細は日経ニューメディア2003年9月29日号に掲載)。