PHSサービスの先行きの不透明さを印象付ける報道が相次いでいる。2003年9月10日には,「KDDIが同社のPHS子会社であるDDIポケットを京セラに売却する方向で交渉を進めている」との一部報道があった。続いて9月12日には,「NTTドコモがPHS方式の電話機型端末の新規開発を中止する」と報道された。

 こうした報道について,当事者であるKDDIとNTTドコモはその内容を否定している。しかし,KDDIは「京セラと交渉を行っている事実はない。現時点ではこちらからDDIポケットの売却を提案することはしない」という説明にとどめ,外部から買収提案がきているかどうかについては明言しなかった。一方のNTTドコモは,「新規開発の中止を決定した事実はない」としたが,腕時計型やテレビ電話機能搭載型など特別な仕様の端末などを除いて,単純な電話機型端末「パルディオ」シリーズは2002年6月以来,1年以上も新製品を発売していない状況である(詳細は日経ニューメディア2003年9月22日号に掲載)。