ディジタル地上波放送で,アナログ放送では提供しない独自の番組を放送するという民放事業者が現れた。近畿広域圏における東京放送(TBS)系の「毎日放送」(MBS)だ。同社はディジタル化によって可能になる多チャンネル放送の仕組みを使い,2004年4月から「第2チャンネル」を運営する方針である。ディジタル放送を提供する地上波放送事業者は基本的に,アナログ放送との同時放送(サイマル放送)を行うことが総務省から求めらている。MBSはこの要請に従いながら,ディジタル放送のサイマル放送による通信販売番組の時間帯に,第2チャンネルで別の通販番組を提供することにした。

 MBS以外に第2チャンネルの運営方針を打ち出しているのは,現時点でNHKだけである。同社は全国向け放送の時間帯に,第2チャンネルを使って地域の放送局が作ったその地域向けの番組などを放送する計画である。こうしたディジタル地上波放送ならではの番組が提供されないと,「ディジタルテレビは普及しない」とみる家電関係者は少なくない(詳細は日経ニューメディア2003年9月15日号に掲載)。

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