KDDIが提供している携帯電話サービス「au」が,2003年度に入って加入者数を順調に増やしている。4~6月に移動通信事業者4社の中で最も多くの純増者数(新規加入者数から解約者数を引いたもの)を獲得し,7月はNTTドコモに首位の座を明け渡したものの,8月には再び抜き返した。auが好調を維持しているのは,パケット通信料の割引サービス「パケット割」の提供によって,最も安い料金水準を維持しているからだ。電子メールやコンテンツの利用が多いユーザー層の人気を集めている。

 こうした状況で総務省と移動通信事業者は,ユーザーが契約する事業者を切り替えた場合に,同じ電話番号を引き続き利用できるサービス「番号ポータビリティー」の導入に向けた検討を進めている。番号ポータビリティーが実現すれば,ユーザーが契約する事業者を変更する際の障壁の一つがなくなる。このため,競争力があるサービスを提供している移動通信事業者ほど,番号ポータビリティーの導入メリットが大きいという見方ができる。しかし現状ではサービスの好不調に関係なく,移動通信事業者は番号ポータビリティーの導入に消極的なようだ(詳細は日経ニューメディア2003年9月15日号に掲載)。

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