日本テレコムと東日本旅客鉄道(JR東日本)は2003年8月26日,電車内に設置した液晶ディスプレイ装置に無線LAN経由で動画の広告を配信する実証実験を,9月8日に開始すると発表した。JR東日本の京浜東北線1編成の2車両に17インチの液晶ディスプレイ装置を合計6台設置し,その装置に動画の広告コンテンツを配信する。実証実験は2005年3月下旬まで行う計画で,両社は今回の実験を通じて次世代車内表示システムの開発を本格化させる。

 実験で使うコンテンツ配信システムは,日本テレコムが運用する。同社の配信センターと京浜東北線の複数の駅を専用線で結び,液晶ディスプレイ装置を搭載した車両が駅に停車している間に,駅構内に設置した高速無線伝送システム経由で車両内に広告コンテンツを配信する。配信されたコンテンツは車両内に構築した無線LANを使って各液晶ディスプレイ装置にコピーされ,車両の走行中に再生する仕組みである。車両内の無線LAN方式には,最大伝送速度が54Mb/sと高速な「IEEE 802.11a」を採用する(8月26日発表)。