ソニーとソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)は2003年5月4日から7月4日までの予定で,テレビ受像機を対象にした「IPv6」方式によるブロードバンド(高速大容量)コンテンツの配信実験を行っている。SCNのブロードバンドインターネット接続サービスを利用する100人のモニターに対して,地上波テレビ放送の受信機能とHDD(ハードディスク駆動装置)を搭載したソニーのAV機器「コクーン」などを貸与して,モニターの好みに合った映画や広告番組などの映像(MPEG-2形式)をインターネット経由で配信している。

 テレビ放送とインターネットを統合して新たな視聴環境を提供する今回の実験を通じてソニーとSCNは,IPv6を使ったサービスの技術検証とともに,蓄積機能を持つAV機器を対象にした新たな通信・放送統合型サービスの可能性を探っている。モニターからの要望や技術的な検証結果をもとに,新サービスの実現を目指すという。ただし,こうした配信サービスを事業化するには,二つの課題が残されているという。