NTT(持ち株会社)は2002年11月25日,NTT東西地域会社などが構築している光ケーブル・ネットワークを活用した通信関連事業をグループ全体で育成するための計画「“光”新世代ビジョン」を発表した。計画の中身をみるとまず,インターネット関連の新技術である「IPv6」や「Mobile-IP」に対応した制御系ネットワーク「RENA(次世代ネットワークアーキテクチャ)を新たに構築する。次にこの新しいIPネットワークを活用して,映像などに対応した高度な通信サービスを実現する。また,データ通信速度の保証や強固なセキュリティーなど様々な付加価値を備えたサービスを,多様な料金体系の下で提供するという。

 さらにNTTは新しいIPネットワーク・サービスの利便性を高めるために,1回の認証で複数のアプリケーションを利用できる「シングル・サインオン」や,ユーザーの要望を自動的に処理する「エージェント機能」など,高度なデータ通信を実現するプラットフォームの提供業務も手がける計画だ。特定業務向けのアプリケーションを実現するネットワーク・サービスも提供するため,政府による「e-Japan重点計画」や「構造改革特区構想」などに参加して,先進的なビジネスモデルの開拓も目指す。これらの要素を組み合わせた各種通信サービスの提供を2005年にも開始して,2007年ごろには7000億~8000億円の売上高を達成し、現行の電話事業の減収を補える収入源に成長させるのが目標である(11月25日発表)。■

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