携帯電話の普及率が高い欧州各国で,第3世代移動通信(IMT-2000)サービスの開始延期や中止が相次いでいる。欧州では日本のNTTドコモとJ-フォンが採用した「DS-CDMA(W-CDMA)」方式が採用されているため,その動向は対岸の火事ではない。両社が日本で提供するIMT-2000サービスの国際ローミングのほか,端末や基地局の生産計画などに影響を与える可能性があるからだ。

 欧州で利用者数が最も多いドイツでは,IMT-2000向けの周波数をオークションによって獲得した6社のうち,2社が事業を中止する見通しになった。また,欧州最大の携帯電話事業者グループを抱えるVodafoneが本社を置く英国では,そのVodafone自身が2002年8月に,IMT-2000サービスの商用化時期を,2002年後半から2003年に延期することを決定した(詳細は日経ニューメディア2002年9月23日号に掲載)。

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