情報通信技術委員会(TTC)は2002年9月17日に,傘下の作業部会が作成や運用を担当している「スペクトル(周波数帯域管理)管理標準」(アクセス・サービス間の干渉を防ぐための事業者間ルール)について,「作成過程や有効性に問題はない」とする見解を公表した。TTCの作業部会に対してスペクトル管理標準の廃止などを求めているソフトバンク・グループに反論するのが目的である。

 ソフトバンク・グループは,「競合事業者であるイー・アクセスの小畑至弘取締役がリーダを務めるTTCの作業部会が,自らが提供している最大伝送速度が12Mb/sのADSL(非対称ディジタル加入者線)サービスの提供に不当な制約条件を付けるスペクトル管理標準の改定案を作成した」と訴え,スペクトル管理標準自体の廃止や,同標準の作成・運用を別の組織に移管することなどを求めていた。これに対してTTCは今回の見解で,「TTCに加盟する会員は出身の企業や機関から離れ,透明な手続きに基づいて標準化を進めている。スペクトル管理標準についても,その作成の過程や有効性にまったく問題はない」と反論した。■

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