インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)大手の「インターネットイニシアティブ」(IIJ)と,電力会社10社が出資する通信事業者「パワードコム」は先ごろ,事業統合に向けた検討を開始したと発表した。日本でISPの先駆けとなったIIJは,インターネット関連技術や新サービスの開発で強みを持つ。一方のパワードコムは,全国的な光ファイバ網を所有し,電力10社やその傘下の通信事業者との協力体制を築き上げている。IIJとパワードコムはこうした両社の強みを合わせて,企業向けのデータ通信市場でNTTグループの対抗軸を作ることを目指すという。

 両社は事業統合の具体策を,2002年12月末までに作る。パワードコムは東京電力傘下の東京通信ネットワーク(TTNet)と,2002年4月をメドに合併する計画である。IIJグループには,トヨタ自動車やソニーなどと共同で設立した通信事業者「クロスウェイブコミュニケーションズ」(CWC)がある。このため事業統合の際には,TTNetとCWCを含めた4社が対象になる可能性が高い(詳細は日経ニューメディア2002年7月29日号に掲載)。

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